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Catechism

「サクラメント」という用語と聖書――概念はあってもそれを指す具体的な用語がない、ということはよくあります。サクラメントという語も、キリスト教で使われるようになったのは、あとのことです。しかも二つの事柄を指すようになったのです。今回は意味に関するお話です。

教会の用語としてラテン語が用いられるようになった場所は、アフリカ北部の都市カルタゴが最初です。カルタゴに匹敵する大都市ローマではありませんでした。ラテン語で書かれたキリスト教関係の文書としては最古のものである「スキリウム聖徒殉教伝」もこのカルタゴで発見されました。最初に聖書が翻訳されたのも、このカルタゴでした。

このことがどうして重要なのでしょうか。まず理由の一つに、「サクラメント」の語源がラテン語だということです。しかしそれ以上に、サクラメントという言葉の歴史、使われ方、訳され方は、こんにちにおいてサクラメントが何を意味するかについて、今なお非常にたくさんのことを私たちに教えてくれるのです。

知る人ぞ知る知識

新約聖書をラテン語に翻訳した人々が大いに悩んだのは、ギリシア語のミステリオンという単語でした。当時の人々はこの単語を、以下の二つの文脈で理解することしかできませんでした。

  • 当時のカルト宗教が、神々に関連する出来事を思い起こす手段としてある特定の儀式を行っていたことから、そのカルト宗教(謎めいた宗教)を指す言葉が、複数形のミステリアという単語でした。秘密の厳守を誓う人だけが、その宗教への入信を許可されていました。
  • プラトン哲学において、その意味はより一層抽象的になり、実在するものの認知、知識人への明確なメッセージを意味するようになりました。

完全な形による啓示

ユダヤ教の聖書としては標準的なギリシア語翻訳である七十人訳聖書に〔セプトゥアギンタ〕、このミステリオンという語は、先述したプラトン哲学を背景とした意味で用いられています。特にダニエル書では、選ばれた僅かな者たちに示された天来の御忠告を表すのに用いられています。

新約聖書の著者たち――特に使徒パウロ――は、この旧約聖書に出てくるミステリオンという単語に対して、別の解釈をしました。それは、天来の救いの秘義を歴史的に見ると、イエス様の顕現がその頂点であるが、信じる者しかこれを悟ることはできない、というものです。

カルタゴ人は、ミステリオンの訳語として「サクラメントゥム」という語を充てましたが、アフリカ北部でこれが浸透するのはまだかなり先のことでした。イタラ訳(七十人訳の次に出た翻訳)やヴルガタ訳(最終的に主流となる翻訳)では、より慎重を期して、ミステリオンの代わりに「ミュステリウム」というラテン語化した単語が用いられました。

橋渡しとして忠誠を誓う

サクラメントという語が正式にキリスト教用語となったことは、教会に関する初めてのラテン語著述家であるテルトゥリアヌスによるところが大きいです。元々サクラメントは、兵士や役人が(神として崇めていた)皇帝に行っていた誓いという意味と、法的手続きをする際に法廷に預ける保証金という意味の、二つを指していました。なおこの保証金は、事案が解決しない場合、その保証金は特定の神殿とそこに属する神官に渡ることになっていました。

テルトゥリアヌスは、兵士の息子であり卓越した法学者であったことから、キリスト教における洗礼の誓いと、皇帝への忠誠の誓いとの類似点を理解していました。この誓いによって、信徒は主イエス・キリストにお仕えすることに献身します。ですから当初カルタゴの人々は「サクラメント」という語を用いて、洗礼の誓いの特徴を説明していましたが、後に洗礼という行為全体の特徴を説明するのに、この語を用いるようになりました。そして最終的に、聖餐を指す一般的な用語となったのです。

一つの単語に二つの意味

ここではサクラメントいう単語に二つの意味がある理由を解説します。

  • 狭い意味では、一人一人がイエス・キリストによる救いを共有できる、礼拝中の聖なる行為を指します――これがテルトゥリアヌスの用いたサクラメントゥムです。サクラメントという一種の礼典は、聖書に記述されている、洗礼と聖餐に由来します。
  • 広い意味では、救いという天来の秘義、言い換えれば新約聖書のミステリオンに対する歴史的理解を指します。それゆえ一部の神学者は、イエス・キリストとその教会もサクラメントである、と述べています。

しかしサクラメントという用語ができた頃は、それに関する教義が網羅されていたわけではありません。さらに200年後、別のアフリカ北部の人々による偉業を待たなければなりません。これについては、このシリーズの次号にて扱います。

(2月18日付ナックトゥデイより)

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