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Catechism

故人のためのサクラメント。それは、人が死んでも変われるのであればこそ、意味があるものです。教会の教えから判断すると、死後の世界で救われるチャンスがあることを信じるキリスト教徒は大多数ですが、大きな違いがあります。

死後の世界とはどのようなものでしょうか。暗い。陰鬱。少なくともこれが旧約聖書に書かれている当初の答えでした。「シェオルと呼ばれる陰府〔黄泉〕に、死者は皆眠る」というものです。 

しかしやがて、善人と悪人にまったく異なる運命が待ち受けることが認識されるようになります。この考え方は、貧しいラザロのたとえに見られるように、新約聖書にも引き継がれます。 

復活する時までどこに留まるのか 

生と死の境界は流動的です。聖書には歓喜と復活のことが書かれています。このように、旧約聖書の中で後期に書かれたものでは、一般的な復活、少なくとも「正しい人は復活を希望できる」という展開になっています。そしてヘブライ語聖書がギリシア語に翻訳されたことで、この義人復活の傾向は強まります。 

その過程で、「シェオル」はギリシア語で陰府を意味する「ハデス」と共に、死と復活の間の待機状態を表すようになりました。「魂はまだそこで変化することができる」ということを示唆するものは、せいぜい旧約聖書続編〔外典〕に見られる程度です。 

イエス様の時代には、進歩的なファリサイ派と保守的なサドカイ派が論争が続いていました。しかしキリスト教では、「善人に天国、悪人に地獄」という概念の他に、「人生の終わりやこの世の終わりとの間に中間が存在する」という概念が採り入れられました。 

二度目のチャンス 

ローマ帝国の西部で活躍した教父たちも「煉獄(れんごく)」という、天国と地獄との間に第三の中間状態が存在するという考え方を導入しました。その背景にあるのは「最後の審判の前においては、永遠的な裁きを受けるほど善人にも悪人にもなり切れていない」という考え方でした。こうして、一般の罪人にも贖罪の機会が与えられることになったのです。生きている人が死者のために祈ったり、ミサに参加したり、慈善的な働きをすると、清めを受ける期間が短くなることがる、という考え方でした。 

カトリック教会は今もそう教えています。しかし、神学者たちは「天国と地獄は場所ではなく、神様との距離の近さによって変わる魂の状態である」と強調しています。そして煉獄では、罪を犯したことに対する痛悔の念と救いに与りたいという切なる願望が燃えるように湧き上がるのです。 

すべての人に与えられる二度目のチャンス 

正教会は、「楽園と地獄がある」と教えています。これもやはり、場所ではなく、魂の状態を言っています。一方では、キリストにつながる豊かな愛による至福です。他方では、神様に加わなかったことによる苦しみです。 

この二つの状態は一時的で、変わりやすいものです。この世に生きている人の祈り、特に聖餐を行う中での祈りは、死者を助けることができます。正教会は、カトリックが唱える煉獄の教義を否定しています。その理由の一つとして、そこで変われる故人はごく一部でしかない、というものがあります。 

眠っている、または完全に死んでいる 

プロテスタント教会にも煉獄の問題があります。何しろ、この教義の悪用を含む腐敗行為が宗教改革の火種になったからです。何より、清めという考え方は、義認の教義が持つ概念になじみません。 

代わりにプロテスタント諸教会の父ルターは「魂の眠り」つまり、「死んだらすぐに裁きの日を迎える、と感じる」という考え方を提唱しました。最終的に「全死説」が主流となりました。この説は、魂が不滅であることを認めず、「個は破滅し復活によって新しく創造される」という考え方を採り入れています。 

いずれにしても、宗教改革の考え方を受け継いでいる教派では、陰府において魂は成長できないわけです。 

キリストの犠牲によるならば可能 

新使徒教会は、教理要綱の中で、このような不変性を否定しています。 

  • 人は肉体が死んでも生き続けます。肉体は一時的存在でも、魂は永遠に生き続けます(9.3)。 
  • 陰府における魂の状態は、この世の生涯における魂の状態と同様、神様と親密か疎遠かによります(9.5)。 
  • キリストがいけにえとなってくださって以来、陰府にいる魂を改善させることが可能となりました(9.6)。 
  • イエス・キリストは、故人とこの世にいる人とを支配なさる主です。神様はすべての人が救われることをお望みです(9.6.3)。 

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すべての人を救おうとする神様の御旨は、新使徒教会の故人に対する考え方を構築するうえで、神学的支柱となっています。これとあと二つの支柱について、次回のこのシリーズで論じます。 

2022年4月26日nac.todayより 

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