14. 2月 2023

イエス様が男性だけを使徒に召されたことは確かですが、これが女性に教役職が与えられないことに対する答えにはなりません。一切関係ないということを、キリストご自身が言っておられるのです。

このことについて、新使徒教会教理要綱はいささかの疑いも残していません。「教会の土台となっているのは専(もっぱ)らイエスの御言葉、御業、御性質であり、このことは現在においても未来においても同じである」(6.3→)。そして「イエス・キリストが御自身の教会に与えられた教役職は一つだけである。それが使徒職である」(7.4→)と言うことも明らかです。そして「イエス・キリストは、弟子たちの中から十二人をお選びになり、使徒とされた」(7.4.2→)のです。

マタイによる福音書10章1~4節、マルコによる福音書3章13~19節、ルカによる福音書6章13~16節に書かれているように、男性だけです。代理となる大使として活動するのに女性は適していない、とイエス・キリストがお考えだったのでしょうか。そのようなことをイエス様は一言も仰っていません。実際、イエス・キリストはご自分がお選びになった理由を、一切述べておられないのです。しかし、イエス・キリスト自身の言葉は、十二使徒を選ぶことによって、イエス・キリストが実際に何を言いたかったのかを示しています。

神の民にとっての新たな始まり
「この都の名は、その日から、『主がそこにおられる』と呼ばれる。」これはエゼキエル書の最後の言葉です(48:35)。終末の都の名です。都にある十二の門には、イスラエル十二部族の族長の名にちなんだ名がついています。これは、イザヤ書2、4、11、32、35章に書かれている、霊的、地理的、政治的再生であり、メシアによる刷新です。

これは、イエス・キリストが十二使徒を召し出される時に、イエス・キリストによって与えられたしるしです。イエス様は十二使徒にこう仰せになり、このことを明らかにしておられます。「よく言っておく。新しい世界になり、人の子が栄光の座に着くとき、私に従って来たあなたがたも、十二の座に着いて、イスラエルの十二部族を裁くことになる」(マタ19:28)。そしてこのような方法でイエス・キリストを理解するために、例えばヨハネの黙示録は、終末の町、新しいエルサレムについて論じているのです。「都の城壁には十二の土台があり、そこには小羊の十二使徒の十二の名が刻みつけてあった」(黙21:14)。

娘ではなく息子
十二人の召命とは、すでにユダヤ教において古代の預言者たちから知られていた、しるしの一つです。使徒はヤコブの十二人の息子を意味し、従ってイスラエルの民全体を代表するものでした。こうした共同体を制定することで、イエス様はご自身の宣べ伝えることがいかに広範囲に及ぶべきものであるかを示し、新しい神の民を回復させるという約束を果たされるのです。

神の民は、族長であるヤコブの息子たちを自分たちの規範としていました。息子たちですから、男性だけでした。もしイエス・キリストが女性もこの規範の中に入れていたら、同時代の人々は十二という数字に気づかず、イエス様が示されたしるしを理解できなかったことでしょう。ですから、イエス・キリストの選択は、女性に教役職を授けることができるかどうかという問題とは全く関係がなく、当時の文化的背景を象徴するものだったのです。

証人が軽んじられる
「あなたがたはエルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、私の証人となる」(使徒1:8)。こうして復活された主は、使命の概要を使徒たちに説明されました。しかし、当時は、社会情勢や女性が直面する文化的な障害のために、これは男性にしかできないことでした。

一つ目に、宣教活動はユダヤ人の中で始まり、最初は会堂で行われました。マルコによる福音書1章39節、マルコによる福音書6章1節以下、使徒言行録13章14節と17章17節にその例があります。 会堂で話すことが許されたのは男性だけでした。女性が使徒になったとしても、話す機会が与えられなかったでしょう。

第二に、ユダヤの法廷では男性だけが証言を許されていました。当時は、女性だけでは法的な地位がほとんどなかったのです。女性は格下として扱われ、その証言は軽んじられていたのです。使徒たちは、女性たちがイースター時に聞いたことを伝えた時、それなりの反応しかしませんでした。「しかし、使徒たちには、この話がまるで馬鹿げたことに思われて、女たちの言うことを信じなかった」(ルカ24:11)。

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しかし復活されたキリストは、文化的状況を一切排除して、まず女性に御自身を示し、彼女たちを主要な証人→となさったのです。このことは、初期のキリスト教に様々な影響を及ぼしました。女性が、当時の主立った考え方よりも、はるかに大きな役割を果たしたのです。この点については、次回以降、詳しく見ていくことにしましょう。

原著: Andreas Rother
https://nac.today/en/158033/1139785→

nac.today:New Apostolic Church International

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