2024年6月18日 0:00:00 JST

神様からいただいた約束を信じることは、この女性にとってますます大変になっていきました。実現までにかかる時間があまりに長く、その時間がなくなりかけていたのです。しかし、神様による彼女への奇跡は、それだけに一層大きなものでした。〔以下、一部改変〕

 

 

当時、子どもが生まれないことは社会的苦痛であり、その女性は村八分のような扱いを受けました。老後を生き延び、死後も生き続ける唯一の方法が子どもを持つことだった時代において、不妊の女性は、無意味な人生を歩むということになり、愛されることもありませんでした。

 

約束とその実現との軋轢

サラは、神様が夫に授けられた約束を信じようとしていました。そこで、一家は順風満帆な生活を送っていたウルから、見知らぬ土地であるカナンの地へ移り住んだのです。

 

ところがカナンの地に移り住んでも子どもはできず、しかも飢饉のために、また移動を余儀なくされました。今度はエジプトに移り住みました。すると夫のアブラハムは心配し始めました。支配者たちはほしいと思う美しい女性を簡単に手に入れることができたからです。その女性が結婚していると、夫を殺してしまうのです。サラは美しい女性でした。大半のエジプト人女性より色白だったため、すぐにファラオの目にとまりました。実は、アブラハムとサラは父親が同じで、兄妹の関係でした。当時、兄妹が結婚することは、全く問題がありませんでした。

 

しかし、サラがファラオの妾(めかけ)となることは、神様のご計画にありませんでした。神様はファラオとその一族に疫病を流行させて、サラを解放されました。この時、サラたちは神様を信頼すべきだったことを悟りました。彼らが過ちを犯しても、神様はお見捨てになることなく、常に危険から守り、祝福されました。一方でサラには依然として子どもがいませんでした。

 

空の星の如く

しかし、神様は夫のアブラハムに、「空の星のように多くの子孫を与えると約束されました。更年期を過ぎたサラは、自分が国家国民の母として選ばれることはないだろうと思い、とても理にかなった考えとして、若い女奴隷だったハガルを代理母として夫に与えました。サラは、自分が考え出したことにもかかわらず、ハガルを強烈に嫉妬しました。一方でハガルは妊娠し、そのことで優越感に浸り、サラに対して傲慢な態度をとるようになりました。そんなハガルに対してサラも非常に意地悪な扱いをしました。アブラハムは二人の対立を解決しようとせず、ハガルは子どもを宿したまま、砂漠に逃げました。これは死刑宣告も同然でした。しかし、神様はハガルを見守り、祝福し、アブラハムの家に帰されました。

 

サラたちは数々の過ちを犯してきましたが、神様は常に彼らに忠実でした。ハガルの子イシュマエルが生まれると、神様はアブラハムに「多くの民の父となるのだ」と仰せになり、絆(きずな)の証しとして割礼を導入しました。また、神様はサラとアブラハム二人に新しい名前をお与えになりました〔以前の名はサライとアブラム〕。サラは神様が自分たちを等しく見ておられることを悟りました。

 

ユーモアのある神

二人の信心は長続きしませんでした。神様は三人の男性として、二人に姿を現されました。二人は普通にこの三人を歓迎しました。この時「あなたたちはまもなく子供を授かるだろう」と聞いて、二人は思わず吹き出してしまいました。さらにアビメレク王がサラに興味を持った時、彼女とアブラハムはファラオの時と同じ過ちを犯しました。しかし、神様はそれでもお助けになりました。

 

サラは九十歳になり、ついに待望の男の子を授かりました。二人はその子をイサクと名付けました。「彼は笑う」という意味です。

 

血縁

聖書では、サラの物語を通して、イシュマエルとイスラエルの系図的なつながりが語られていますが、この間には敵意もあります。サラは自分の子供がいても、ハガルに対して依然として嫉妬し、ついにはイシュマエルの些細(ささい)な悪ふざけを口実にして、アブラハムにハガルとイシュマエルを追い出すように頼みました。アブラハムはそれを望まなかったのですが、神様はサラのこの願いを正当とされました。ハガルとイシュマエルもまた、神様から、大きな国家国民となるとの約束をいただきました。サラの夫であるアブラハムは、三大一神教〔キリスト教、ユダヤ教、イスラム教〕の祖となりました。

 

男子の誕生を長い間待ち続けたわけですが、神様は今度、アブラハムにその愛する息子を犠牲として献げるように仰せになりました。恐ろしいことでした。しかし、これは彼の信仰がどれほど強いかを試す試練でした。息子に手をかけようとしたまさにその瞬間、神様はイサクが殺されるのをお止めになり、イサクを再び二人の腕に返されました。

 

神様はサラに恵みを与え、彼女が百二十七歳で亡くなるまで、数年にわたって、息子の成長を見届けられるようにされました。

 

信仰の手本に完璧さは不要

サラが亡くなった後、神様の約束が実現し、彼女とアブラハムは数え切れない子孫を持つことになりました。それがイスラエルの民です。サラは、疑いを持ったり信心をなくしたりしたことが数多くあったものの、聖書の中では、従順で(一ペト3:6)、信心深く(ヘブ11:11など)、本当の解放をもたらす信仰を頼みとした(ロマ9:8-9; ガラ4:22-31)人物として、彼女の名が挙げられているのです。

 

自然のあらゆる法則にもかかわらず、神様はサラに、母親としての微笑みをお与えになったのです。

原著: Katrin Löwen

https://nac.today/en/158033/1290896

nac.today: New Apostolic Church International

 

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