はしがき

今回初めて、新使徒教会の教義を体系的にまとめた著書が出版される運びとなりました。これまで新使徒教会の信仰の中で主だった内容を扱う書物はあり、その一つが、1992年に最終改訂版が出た「新使徒信仰に関する問答書」でしたが、信仰についてより包括的にまとめられたものを、との要請が高まってきました。新使徒教会は多種多様な文化背景を持つ多くの国々で活動しています。こうした多様性の中で、教義面での一致を図るためには、教理要綱のような統一した基本的事柄の集大成が必要となります。

 

この教理要綱が ― その企画は、私の前任者であるフェーア主使徒によって着手されました ― すべての兄弟姉妹のもとに届けられることを、私はうれしく思っております。これが他宗派に所属している信徒の皆さんにも興味を持っていただけるならば、尚うれしく思うところであります。他宗派の方々がこの教理要綱の内容をぜひ熟知していただきたいと、心より願っております。

 

この本はすべてのキリスト教信徒が共通に信念としている基本的な事柄だけでなく、新使徒教会独自の特徴も収められている。この教理要綱は、信仰を持った人たちのために、信仰によって書かれています。明確にしておかねばならないのは、新使徒教会は、いかなる解釈上の違いがあっても、他宗派が表明していることを十分に尊重している、ということです。

 

教理要綱は基本的に参考文献であり、新使徒教会における信仰生活の規範である。もちろんこの本がすべての疑問に対して詳細に答えるわけではありません。しかしこの本は、タイムリーな問題について話し合うたくさんの機会を与えてくれます。

 

この本の作成に当たっては、教区使徒や使徒を中心とした作業部会が組織されました。作成作業が進められる中で、重要な判断をする時には、世界中の教区使徒が招集され、作業部会と合同で行われました。この文面は、私と十分に話し合いを持った中で作られました。

 

作成に携わったすべての方々と、その方々が取り組まれたすべての作業に、心より感謝を申し上げたい。この本が祝福のうちに用いられ、信仰の指針となることを祈念致します!

 

(署名)
 
ヴィルヘルム・レーバー
2012年3月チューリッヒ

 

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