20. 12月 2022

「アダム」― よく知られているように、最初の人間の名前ですが、実はこれには、全く別の意味があるのです。そして、それは男女平等について多くのことを語っているのです。しかしそれは、聖書をよく読まないと分かりません。

神様はご自身のかたちに、人間をお造りになりました。男と女としてお造りになりました。男性にも女性にも、同じ尊厳と同じ責任があります。天地創造に関する記事には、そのように書かれています。

その天地創造の記事なのですが、創世記の1章のすぐ次、2章4節から、この世、動物、人間の創造に関する記事が続いています。この二つの間には、相違点も類似点もあります。

両者は矛盾しているのか

一つ目の記事は、完全なこの世の出現を描いた、出来事をありのままに飾り気なくまとめたものです。二つ目の記事は、文学的装飾が施され、この世がどのようにして今のような姿になったかを描いています。

この詳細な記述によれば、神様はまず男を創造し、男のあばら骨から女を創造して、男の助け手とします。これは明確な序列を示唆するものではないでしょうか。しかしそうすると、一番目で男女平等がはっきりと記述されているのと矛盾しないでしょうか。

全く矛盾していません。なぜならこのよく知られている記事の方が、聖書の出来事を誤って伝えているからです。ヘブライ語の表現を詳しく調べると、よく分かります。

用語を理解する

『アダマ』とは「土」を意味する言葉で、神様が人間という被造物をお造りになる際の材料を指しています。「アダム」と書かれていますが、これは言葉遊びで、おおかた「地球人」と言った訳がつけられています。この表現は当初、人間一般を指す言葉として使われていました。この言葉が最終的に固有名詞になるのは、5章からです。

性別の無いこの人は、助け手ではなく「助け主」をいただきます。ヘブライ語でこの語は、例えば、詩編で神様ご自身を私たちの「助け〔救い〕」としているのと、同じ用語です(詩33:20;70:5)。

骨に至るまで

そして「これこそ、私の骨の骨」と言う感嘆の言葉が続きます。神様が「彼にふさわしい助け手」(創2:18)を造ると言われた意図から始まる記述は、ここに至ります。主はこの同じ大地から動物を創造されました。しかしアダムは、自分にふさわしい助け手は見つけることができませんでした。

そこで、いわば全身麻酔による手術のようなものによって、アダムにふさわしい伴侶が与えられました。これが「私の骨の骨、私の肉の肉」(創2:23)です。つまり「自分と同じような存在がもう一人ここにいる」ということです。

このような観点から、あばら骨の問題を理解すべきです。なぜなら、これももまた、二人の人間が同じ「材料」から作られ、従って同じ性質と存在であることを言おうとしているからです。

骨に至るまで

そして「これこそ、私の骨の骨」と言う感嘆の言葉が続きます。神様が「彼にふさわしい助け手」(創2:18)を造ると言われた意図から始まる記述は、ここに至ります。主はこの同じ大地から動物を創造されました。しかしアダムは、自分にふさわしい助け手は見つけることができませんでした。

そこで、いわば全身麻酔による手術のようなものによって、アダムにふさわしい伴侶が与えられました。これが「私の骨の骨、私の肉の肉」(創2:23)です。つまり「自分と同じような存在がもう一人ここにいる」ということです。

このような観点から、あばら骨の問題を理解すべきです。なぜなら、これももまた、二人の人間が同じ「材料」から作られ、従って同じ性質と存在であることを言おうとしているからです。

共通した内容

従って、言語的文化的背景を熟知している人であれば、天地創造に関する二番目の記事を、違った形で読むことができるでしょう。

  • 神様は人間を創造し、生命の息を吹き込み、それによって人間性を付与されました。一番目の天地創造に登場する、神のかたちに人間が創造されたことが、ここ二番目でも反映されているのです。

  • 神様は男に、ふさわしい相手を与えておられます。ここで、男女間における、神様のかたちとしての相互関係が、改めて浮き彫りになります。

  • 神様は人に ― ここで注意すべきは男女両方を指していることです ― 被造物を耕し守るという使命をお与えになりました(創2:15)。ここでも、またこれ以降も、男女の区別はありません。

このように、二番目の天地創造の記事は、精巧に脚色されているにもかかわらず、基本的には一番目の記事と同じ内容を伝えているのです。そしてその同じ内容とは「男女共に、同じ尊厳、同じ価値、同じ責任を有している」ということです。

天地創造に関する二番目の記事には続きがあって、この世がどのように、そしてなぜこのようなものになったのかが説明されています。次回のこのシリーズはそれについて解説します。

原著:Andreas Rother
https://nac.today/en/a/1123859

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