2023年3月28日 0:00:00 JST

結局、どうすればいいのでしょうか。話してもよいのか、黙っているべきか。礼拝における女性の役割について言えば、コリントの信徒への手紙一の記述は、少なくとも一見矛盾しているように見えます。しかし、背景を検証すれば、理解できるようになります。

コリントの信徒への手紙一は、(ローマの信徒への手紙と同様に)教えを説くことよりも、誤った見解を明らかにするために書かれました。使徒パウロは、多文化都市におけるキリスト者の生活について、信徒からの質問に答えています。彼は、派閥の競合について、人格崇拝について、食べ物の規定について、法的論争について、性生活について述べています。

11章から14章にかけて、パウロは、問題化しつつあった礼拝式次第のあり方を取り上げています。パウロは二度、女性について言及しています。手紙のほぼ最後で、こう書いています。「…聖なる者たちのすべての教会でそうであるように、女は、教会では黙っていなさい。女には語ることが許されていません。律法も言っているように、服従しなさい」(一コリ14:33, 34)。

口を開くことと黙っていることとの狭間で

これは、女性が教会で口を開いてはいけないという一般的な規定であり、今後ずっと、宣教を禁止しているものなのでしょうか。そうではありません。教会で口を開くことを一切禁じるなら、祈る時や預言する時に女性はかぶり物をつけなさいと命じる理由が、パウロにはなかったはずです。

なぜなら新約聖書は、預言を、神様の御旨を告げ知らせること、そしてそれを神様の御名によってはっきり示すこと、と捉えているからです。この能力をパウロは、人々を励まし、慰め、教会を造り上げるのに、特に望ましい霊的賜物としています。

では、どうすればいいのでしょうか。語るべきか。黙っているべきか。学者たちは、パウロの手紙が持つこの内部矛盾に対して、二つの解決法を提示しています。

注釈が聖句に

沈黙を求めるこの規定は、新約聖書の原文に付け加えられたとする専門家がかなりいます。具体的には、当初は文書の余白に書かれていた注釈が、時を経て本文に移行したというのです。

これは単なる推測ではなく、二つの検証結果に基づいています。第一に、この規定は、様々な古写本で異なる場所に現れていること。第二に、この33節と34節には、パウロが使わない言い回しが含まれていることです。

然るべき集会の秩序

しかし、一方で、教会で集会を行うに際してパウロが命じたことはすべてに適用されていた、とする聖書解釈の専門家もいます。礼拝は当初、その形態がばらばらでした。「…あなたがたが集まるときには、それぞれほめ歌を歌い、教えを説き、啓示を語り、異言を語り、それを解き明かしますが、すべては教会を造り上げるためにすべきです」(一コリ14:26)。それは、霊的な賜物が様々であり(一コリ12:2-16)、教会が一つの体の部分として共に働く(一コリ12:17-31)からです。一致への最良の道は、愛の道です(13章)。

使徒パウロにとって特に重要なのは、「すべてを適切に、秩序正しく行いなさい」(40節)ということです。なぜなら「神は無秩序の神ではなく、平和の神だからです」(33節)。そこで、パウロは正式な集会のあり方を以下のように命じました:

  • 女性も男性も、かぶり物の習慣を堅く守ること(11:2-16)。
  • 金持ちの教会員は、聖餐前に普通の食事を一緒にする時に、貧しい教会員を待つこと(11:17-34)。
  • 異言で話す、すなわち理解できない言語で話す場合、それを通訳すること。通訳する者がいなければ、話さない(14:1-28)。
  • めいめいが一度に勝手に話すのではなく、順番に話すこと。もし異言や預言的なことを話す人がいたら、他の人たちは話さない(14:27-37)。
  • 何かを学びたい人や質問したい人は、集会の場では口を出さず、沈黙を守り、家に帰ってから質問すること。(14:34, 35)。

沈黙を求めるこの規定 ― 集会の秩序の三つ目 ― は、はっきりと女性について述べています。これは、彼女たちの理解力と関係しています。というのは、古代の女性は教育を受けることがほとんどできなかったからです。

これら集会の秩序の規定基準をどのように分類するかは別です。「コリントの信徒への手紙一」の中で、女性が男性と同じ霊的な賜物を持っていることに疑問を投げかけている箇所は、一箇所もないのです。

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女性に沈黙を求める規定は、コリントの信徒への手紙一だけでなく、テモテへの手紙一にも見られます。しかも、さらに厳密に規定しています。次回のこのシリーズで取り上げます。

原著:Andreas Rother
https://nac.today/en/158033/1148980→

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