2023年6月9日 0:00:00 JST

困難な時は神様の御手に自分の霊を委ねることができる、と詩編の著者は書いています。それは今も同じ、と主使徒は最近の礼拝で説いています。しかも神様の御手に委ねることができるのは、私たちの霊だけではない、というのです。

 

 

トルコとシリアで起きた壊滅的な地震から二ヶ月後、ジャン=ルーク・シュナイダー主使徒は、イスタンブール(トルコ)の会衆を訪問しました。使徒団向け回覧の中で、主使徒は「聞いた事柄に深く感動しましたが、とりわけ兄弟姉妹の尊厳と信仰に感動しました」と報告しています。

 

「主よ、まことの神よ/私の霊を御手に委ねます。/あなたは私を贖われた。」この詩編31編6節〔口語訳5節〕の一節が、今回の礼拝で引用された基調聖句となりました。〔以下、説教の概要〕これは、苦難と試練に直面した詩編の著者が書いた言葉です。彼には、自分を殺そうとする敵がいました。非常に困難な生活を送っていました。それにもかかわらず、信仰を公(おおやけ)にしたのです。詩編の著者はこの敬虔(けいけん)なユダヤ人であり、神様がかつてイスラエルの民をエジプトから救済してくださったという自覚があり、自分の人生においてもすでに神様から助けていただいていました。ですから彼には「神様は自分を見捨てない。助けてくださる」という確信がありました。

 

 

神の御手に我々の霊を委ねる

ある意味では、霊によって物事を理解できます。しかし私たち人間には問題があって、霊や心で神様を理解することができません。

 

神様についての知識があり、神様によって物事を体験していながら、神様の全体像を把握し、神様を理解することは絶対にできません。それでも、あまり多くのことを知らなくても、神様を信頼します。神様が忠実で愛のお方であることを信じるのです。

 

 

神の御手に我々の人生を委ねる

詩編の著者が霊ということを言う場合、彼自身の人生も意味します。神様は、私たちを愛しておられること、御国まで導こうとしておられることをお告げになりました。そう私たちは信じます。神様は、私たちを悪と死から救い出し、平和で永遠に生きることのできる御国に導こうとしておられます。ですからその神様に従うことを、私たちは決意したのです。比喩的に言えば、神様と手を取り合って歩ませていただくことにしたのです。神様に従う決意とは、

 

  • 神様が全能であることを信じる、ということです。御手によって私たちは救いに与ります。
  • 神様が私たちを御国へ導き、私たちの中でお始めになった御業を完成なさる、ということです。何事も神様を止めることはできません。
  • 私たちが乗り越えられないような誘惑を与えるようなことはなさらない、ということです。

 

 

神の御手に私たちの魂を委ねる

御国に入るためには、神様の御手に魂を委ねる必要があります。旧約の表現を借りれば、神様にこう申し上げます。「私たちは粘土、あなたは陶工です。私たちを教え、清め、イエス・キリストの御姿にしてください。」そのために神様は御言葉を用い、私たちの人生やそこでの体験を用いられます。私たちに降りかかる悪も、善に貢献し得るのです。

 

 

御手にある道具

かつて預言者たちは、使命を実現するために自分が神様によって召されていることを「神の御手は自分にある」と表現しました。今回の聖句にはそういう側面もあります。私たちは水と御霊によってもう一度生まれ、特別な使命を実現するために、召され、選ばれ、遣わされました。このことを私たちは自覚します。人生の中でキリストの証人となるために、遣わされているのです。隣人に善を行うために、召され、遣わされているのです。是非私たちも、神様の御手に委ね、何があろうと ― 良い時も悪い時も、自分が若くても老いていても、強くても弱くても ― 使命を実現するために召され、遣わされていることを自覚しましょう。

 

 

時は神の御手にある

今回の聖句には「神様が人生をお決めになる」という意味もあります。キリストの再臨に備えるための時間は、私たちが決められるものではありません。実際、私たちの時間も、神様の御手にあるのです。イエス様が再びおいでになる時は、神様がお決めになります。私〔=主使徒〕にも分かりません。ですから神様は、私たちが今すぐ備えることを望んでおられますし、そうしなさいと言っておられるのです。備える時間があとどのくらいあるのか、私たちには分かりません。ですから、神様が私たちに求めておられることを、今すぐ実行しましょう。

 

 

原著: Katrin Löwen
https://nac.today/en/158033/1154725

nac.today: New Apostolic Church International

 

 

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