2023年6月14日 0:00:00 JST

「イエス・キリストが人類を贖うことができるのは、イエス様が苦しまれたからではなく、従順であったからである」と主使徒は最近の礼拝で指摘しておられます。さらに主使徒はこの贖いにすべての人が加わるためにはどうすれば良いかを解説されました。

 

 

「アダムとエバにとっては、神様との関係よりも、自分の人格や自我のほうが大切であり、これが彼らの間違いでした。」根本的に分裂した過程をジャン=ルーク・シュナイダー主使徒はこう説明しました。

 

主使徒は2023年4月7日、ノルトホルン(ドイツ)で礼拝を行いました。〔以下、説教の概要〕神様は交わりの神、三者で一体です。聖書に「神のかたちに人が創られた」と書かれていますが、これは、人々もこの交わりに加わることになっていた、ということです。神様と交わる、人々同士に交わることになっていた、ということです。

 

ところが二人は善悪を知る木から実を取って食べたことによって、「自分たちは独り立ちしよう。善悪を自分たちで決めたい」という気持ちをはっきりさせました。神様との交わりを自分たちで放棄したのです。これは神様による懲罰ではなく、二人が決めたことだったのです。

 

 

神の位格より大切

しかし、イエス・キリストは「へりくだって、死に至るまで/それも十字架の死に至るまで/従順でした」(フィリ2:8)。アダムとエバの自己中心主義と、二つの意味で対照的でした。

 

一つ目として、御子が地上においでになったのは、人々にあることを教え示すためでした。それは「あなたがたは私から離れても、私はあなたがたから離れない。あなたがたは私のもとを去ったが、私はあなた方の所に来る。そしてあなたがたは苦しまなければいけないから、私も苦しもう。あなたがたは死ななければならないから、私も死のう」ということです。そしてそうすることによって、神様は、ご自身の位格や栄光よりも、人々との関係のほうが大切であることを明らかになさったのです。

 

二つ目として、人間であったイエス様は、神様と交わりを持っておられました。神様との交わりのほうが、ご自身の位格より大切でした。つまり御父の御旨がご自分の御旨でした。御父の望みは人々を救うことであり、イエス様も同様でした。アダムは誤った判断をしましたが、イエス様は正しい判断をすることで、悪の力を破壊したいと願っておられました。

 

 

苦痛ではなく従順

イエス・キリストはご自分が犠牲となることによって、私たちを救ってくださいました。それにしてもイエス様の犠牲に、なぜそれほどの効力があるのでしょうか。理由は痛みでも、苦しみでも、死でもありません。イエス様が従順であったことによって、私たちが義とされるからなのです。一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたように、一人の従順によって多くの人が正しい者とされるのです(ロマ5:19)。

 

一応はっきりさせておきます。長い間、キリスト教では「苦しめば救われる」と、苦しみを美化してきました。つまり、苦しまなければ天国に行くチャンスはない。苦しまなければならない」とされてきました。しかし、苦しみは救いにならないのです。衝撃的なことを言うつもりはありませんが、歴史上 ― そして残念ながら現在も―イエス・キリストが十字架上で味わった苦しみよりもはるかにつらい苦しみを味わった人々がいるのです。

 

では、イエス・キリストの犠牲が、どうしてそれほど強力なのでしょうか。それはイエス様が従順だったからです。神様の御旨を完璧に実現なさったからです。イエス様にとっては、神様との関係や交わり、人間への愛のほうが、ご自身の位格よりも大切だったのです。お気づきでしょうか。まさにアダム/エバと真逆なのです。正反対なのです。それでイエス様は神様の御旨を実現なさったことによって、イエス様の従順が私たちを義とするのです。

 

 

神による三つの戒め

私たちが本気で心がけても、イエス・キリストのように従順になることはできません。ただイエス・キリストと一緒に従順であるなら、イエス様がご自身の徳によって私たちを救ってくださいます。そのためには実現すべき条件が三つあります。

 

  • 信じなければいけません。何があろうと、神様の御言葉を信じます。神様の仰せは真理です。
  • 神様を愛することが必要です。イエス・キリストの戒めに適う振る舞いをしますが、義務感からではなく、イエス様を愛する気持ちでそうします。そうするならば、イエス様の御旨が自分の意志となります。
  • 神様を愛する人は、隣人も愛することが必要です。神様を愛することと、隣人を愛することに、優劣はありません。

 

以上が神様による三つの戒めです。こうした心の姿勢で完全となれるわけではなく、神様がご自身と恵みと救いを、イエス・キリストの徳によって、私たちに与えてくださるのです。

 

 

原著: Andreas Rother

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