2023年11月9日 0:00:00 JST

「使徒団は、女性への職務上の権限委託が可能であると判断する。」聖書の一文一節を取り上げると、この判断に矛盾することがあります。しかしそれら一文一節は、教会の教義に関係する職務上の権限というより、教会の運営に関する職務上の嘱託について言っているのです。このことを教会は考慮しました。

 

 

女性に教役職を叙任することは可能なのか。この点については、新約聖書に明確な証しがありません。そのことを解説した論文が、礼拝指針2022年特別第3に掲載されています。まず、職務、会衆での活動、さらには礼拝での活動に、女性が専門として従事することを示唆する記述が見られます。これと矛盾する、女性の専門的参加を否定する記述も、後半部に書かれています。

 

 

説得力に欠く反論

散見される女性への教役職叙任に対する反論は、おもにパウロの共働者に宛てた牧会書簡と呼ばれる手紙の中に書かれています。反論は事実に基づいており、書かれた時期が限定されています。そして会衆の活動を個別に論じています。つまり、新使徒教会の教義がいう「職務上の嘱託」に関する霊的職務に属する部分なのです。

 

「礼拝や会衆での奉仕に女性が参加することに対して、一定の条件下で否定的な記述があっても、女性を職務から排除すべき十分な根拠にはなり得ない。」女性に霊的職務を委託できない理由はどこにも書かれていないのです。直接的であれ間接的であれ、霊的職務のもつもう一つの側面である「職務上の権限」に触れている箇所は、聖書にどこもないのです。

 

「職務上の権限」とは何でしょうか。「職務上の嘱託」とは何でしょうか。それがなぜ重要なのでしょうか。

 

 

職務には権限と嘱託を伴う

霊的職務には職務上の権限と職務上の嘱託があります。

 

  • 職務上の権限とは、三位一体の神の御名において活動したり発言したりする権利です。
  • 職務上の嘱託とは、職務に就く任期と地域が限定された上で権限を行使するための権利と責任が決められているものです。

 

新使徒教会は、職務上の権限を男性にも女性にも与えられることが、神学的に正しいと考えます。男女が平等であることを、聖書が保証しているからです。この点について神様は、天地創造の時の通り、何の差別もなさいません。そしてパウロが書いた手紙にある通り、「男と女もありません。」キリストにあって一つだからです。ですから三つどの職階――執事職、司祭職、使徒職――にも、それぞれの権限を伴って女性を叙任することは可能なのです。

 

一方で、職務上の嘱託と――牧会書簡の記述のように――文化的側面についても、新使徒教会は配慮しています。決議事項としては次のように定めています。「職務上の嘱託は、会衆が受容可能なすべてのところで、その授与を可能とする。」

 

原著: Andreas Rother

https://nac.today/en/158033/1176112

nac.today: New Apostolic Church International

 

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