2024年3月18日 0:00:00 JST

物事がうまくいっていると、神様にご報告しようと思わないことがよくあります。しかし、感謝を献げることは、一人で祈る時の重要な部分です。今年の標語「祈りは役に立つ」を強く意識するためのヒントをいくつか紹介します。

 

感謝は生きるための道

哲学者たちは古代から感謝の意義を考察してきました。そうすることによって、私たちが共に生きる方法、互いの関わり方、そして他者や自己についての感じ方を決めることができるからです。約2000年前、ギリシャの哲学者エピクテトスは、感謝が大きな出来事を必要としないことをすでに知っていました。彼は「もっとひどくなっていたからもしれない」という表現を創り出し、「幸福とは、不幸が自分たちに訪れなかったことを喜びそれに感謝すること」と定義しました。

 

感謝の心が身体面の健康や幸福感、情緒面の健康を向上させるのに役立つことを心理学者たちが発見したのは、ほんの20年前のことです。感謝の姿勢がどのような効果をもたらすのかについて、数多く研究されてきています。その一つに、被験者に感謝の日記をつけてもらうという研究が行われました。その結果、被験者がそれまでよりも幸せで満足を得ていることが分かりました。前向きな出来事や感情を定期的に振り返ることによって、物事をより楽観的に捉えるようになったのです。被験者はまた、仕事、人間関係、健康の観点で自信の目標を達成するのにもより優れていました。神経筋疾患にかかっている成人でも、21日間にわたって、感謝という側面で物事を評価することによって事象をより楽観的に捉え、人ともっと親しめるようになりました。そして睡眠が深くなり、うつ病の症状が軽減されました。

 

感謝の心を持つことは、子どもにも良い影響を与えます。2008年のアメリカにおける研究によると、感謝の心のある子どもは、他の子どもたちよりも学校や家族に対して肯定的に受け止めています。とはいえ、自然に感謝の心が育まれるわけではありません。適切な年齢に応じて、感謝の心を育てる必要があるのです。

 

感謝できるまでの七つの段階

「ありがとうございます」が言える。ほとんどの親は、子供に「お願いします」と「ありがとうございます」を言うように教えています。これらの言葉をただの決まり文句にさせないためには、なぜそれを言うのかを子どもたちが理解しなければいけません。親は、なぜ感謝が必要なのか、何に対して感謝すべきかを子どもたちに説明することが必要です。それを理解させるために、例えば、お誕生会の後、子供と一緒にお礼の手紙を書いて、その様子を録画してお誕生会を主催してくれた人に送り、感謝の気持ちを伝えるという方法も、その一つです。

 

感謝について論じる。感謝すべき理由は毎日あります。一日の終わりに、家族で、自分たちが健康であること、一緒にいられること、幸せな瞬間を経験したこと、誰かが自分たちに素敵な言葉をかけてくれたこと、ある状況になった時に人から助けてもらったことを、祈りを通して神様に感謝するのです。感謝の日記をつけるという方法もあります。こうすることによって、子供も大人も、一日を振り返り、何が良かったかを確認し、その日がいかに貴重だったかを実感できます。「どういう時に神様を感じたり体験したりできたか」をいつも自分に問うてみましょう。

 

家の手伝いをする。子供たちは、家の手伝いをするよう教わると、他人がやっていることに意識が向き、そのやってくれたことをありがたいと感じるようになります。家事や庭の手入れ、その他何でもそうです。例えば、食事の支度や片付け、犬の餌やりなどを手伝うこともできます。手伝いを頼まれた子どもは、親がその仕事を信頼して任せてくれているのだから、大切にされているのだと感じます。ありがたいと思えば、それが感謝につながります。ボランティアや隣人の手伝いをする親は、子どもにとって良い手本となります。

 

与える。寄付をすることで、子どもたちは自分たちほど裕福でない人たちがいることを理解します。親が子どもと一緒に衣服やおもちゃを選び、困っている子どもたちに寄贈します。あるいは、戦争犠牲者や食糧支援事業に金銭的な寄付をすることで、寄付をすることの大切さと、寄付した後に抱く感謝の気持ちを、子どもたちに伝えることができます。

 

意識を高める。たくさんのプレゼントをもらい、あらゆる望みを叶えてもらった子供たちにとって、プレゼントはもはや何の意味も持たないため、感謝の気持ちになりにくいものです。贈り主がプレゼントにどれだけの労力を費やしたか、あるいは休日に一緒に過ごす時間がどれほど貴重なものかを、親は会話を通して、子どもに教えてあげましょう。ここでも、親や教師は、誰かから何かをしてもらった時に「ありがとうございます」と言うことで、子供たちの手本となることができます。

 

楽観する。散歩中の日差し、礼拝に出席できた、危機的状況を天使が守ってくださった-きょう、感謝すべき理由はたくさんあります。

 

前向きに考える。家族でサイクリングに出かける予定が、突然雷が鳴り始め、雨が降り出した。そのような時、子供たちはがっかりしますが、父親が、「植物には雨が必要だから雨は絶対に必要なのだ」と説明します。代わりにレクリエーションセンターに泳ぎに行くことを提案します。予測不可能な出来事をうまく利用すれば、どんな状況でも感謝する理由が見つかるのです。

 

原著: ナターシャ・ヴルフ。小学校教師兼校長。体育、ドイツ語、数学を教える。結婚して三人の子供がいる。また、ドイツ・ロットヴァイル教会地区で日曜学校の教師と地区聖歌隊の指揮者を務めている。

https://nac.today/en/158033/1265839→

nac.today: New Apostolic Church International

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