1.3 こんにちにおける聖霊の啓示

イエスが父の御許(みもと)に戻られた後、聖霊が新しいものを啓示されることによってそれまで隠されていたことが明らかになる、とする根本的根拠は、ヨハネによる福音書16章12-14節の言葉である。「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。」イエス・キリストは使徒たちに、神の本質や救いの御計画についてさらに深遠なことを、聖霊を通して教わることになる、と約束されたのである。

 

初代の使徒たちは聖霊の働きを、主のお示しという方法で感じ取っていた。主について(フィリ2:6-11;コロ1:15-20)と、これから起こる出来事(一コリ15:51-57)への理解が、聖霊によって深まったという事実は、使徒書簡群が証明している。こうして使徒たちの活動や証しは、聖霊が彼らに啓示されたものによって拡大していった(エフェ3:1-7)。

 

こんにち活動しているイエスの使徒たちによる宣教は、聖書の言葉を基本としている (1.2.5→参照) 。使徒は宣教活動を行う時に聖霊に導かれる。こうして先述した御子の約束も、こんにちにおいて成就している。つまり、イエス・キリストによって表されていた神の自己啓示が、現在は聖霊による神の啓示として維持されているのである。さらに聖霊はキリストが再臨されることを告げておられる。神の御子が人としておいでになり、死なれ、復活され、再臨されることは、こんにちにおける啓示の中心である。

 

さらに聖霊は、神の働きや救いの御計画についての新しい考察を、使徒職に与えられる。この考察については、聖書で暗示しているものの、まだ全貌が明かされていない。ただ一例として指摘できることは、故人となっている者たちも救いに与ることができる、ということである (9.6.3→参照)

 

こうして聖霊が啓示しておられることを宣べ伝えたり、その啓示が新使徒教会の教義であることを公にしたりすることについて、主使徒は、その職に与えられている教師としての権限に基づいて、その義務を果たさなければならない。

まとめ

イエス・キリストは使徒たちに、神の本質や救いの御計画について、聖霊がよりはっきりと分からせて下さる、と約束された。 (1.3→)

 

聖霊は使徒職に、神の働きや救いの御計画について新しい洞察を得させて下さる。具体的内容については、すでに聖書の中で若干示されている。 (1.3→)