2.4.1 第一条

私は、天地の創り主、全能の父である神を信じます。

 

第一条は、神が父であり創造者であることを表している (3.3参照) 。神が創造者であることは、旧約聖書にも新約聖書にも証しされている。天と地の両方、つまり ― ニカイア・コンスタンティノポリス信条が宣言しているように ― 「すべての見えるものと見えないもの」が創(つく)られた、ということである。物的なものも霊的なものも、神による創造の業を基礎として存在している。すなわち神はあらゆる事実をお創りになった。この事実が神を証ししている。

 

神の万能性は創造の業においてだけでない。神はあらゆる点において万能である。神がまったく前提条件の無いところから事物を創造された事実からも、神の万能性を知ることができる(ラテン語「クレアチオ・エクス・ニヒロcreatio ex nihilo」「無からの創造」)、ヘブ11:3)。

 

第一条は、創造者である父なる神について取り上げているものの、ここでは御子なる神及び聖霊なる神も創造の業に関わっていることが明記されている。つまり、三位一体の神が全体で創造の御業に携わったということだが、このことは創世記1章26節にもその主旨のことが暗示されている。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。」ヨハネによる福音書1章1節及びコロサイの信徒への手紙1章16節にも、御子が創造の業に関わられたことがはっきりと書かれている。