3.4.9.1 イエス、聖餐を制定する

過越祭を迎えるに際し、イエスは十二人の使徒と一緒におられた。一同が食卓に着くと、御子イエスは聖餐を制定された。「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。『取って食べなさい。これはわたしの体である。』また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。『皆、この杯から飲みなさい。これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である』」(マタ26:26-28)。これにより、イエスが当初「人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内(うち)に命はない」(ヨハ6:53)と言われたこと ― この言葉に弟子の多くがイエスに背を向けたのであるが ― の意味が解明された。

 

過越祭の食事をしている時、主は裏切り者を特定された。指摘を受けた人物はその後交わりから離れて行った。「時は夜であった」(ヨハ13:30)。