6.4.3 イエス・キリストの教会と教役職

新使徒信条第四条では、教会と使徒宣教職との一致性を指摘している。「私は、主イエスが御自身の教会をお治 (おさ) めになること、そのために使徒をお遣わしになったことを信じます。そして御自身が再びおいでになるまで、教え、イエスの御名によって罪を赦し、水と聖霊とによるバプテスマを授ける職務を、使徒にお委ねになったことを信じます。」

 

イエス・キリストは御自分の教会をお治めになる。キリストは ― キリストの花嫁を再臨に備える時期として ― 教会を設立される際に、使徒をお遣わしになった。この使徒を通じて、キリストの統治を感じることができるようにするためである。使徒職はキリスト教会全体に与えられているものである。使徒職には、彼らによる救いを教会のあらゆる部分に浸透させていく任務がある。

 

あらゆる国民に使徒が遣わされているのは、彼らを教え、バプテスマを授けるためである。キリスト教徒でない人々も、イエス・キリストを信じキリストが主であることを告白する人々も、つまりすべての人々の所に、使徒たちが出向いて行って、聖霊のバプテスマを授け、キリスト再臨に備えさせるのである。

 

使徒は、イエス・キリストがかつておられこれからおいでになるお方であることを証ししている。そして救いに関して将来起こる出来事を明らかにしている。キリスト教会の本質における重要な要素は、将来において神と直接に親しく交わることの一点に集中される。キリスト再臨が迫っていることを宣べ伝え、花嫁を主に導くことが、使徒たちにとって最も重要な任務である (10.1.2→参照)

 

主の花嫁とは ― 狭い意味ではいわゆる「聖なる者たちの集まり」 ― 水と霊とによる再生を果たした信心深い者たちである。この者たちはイエス・キリストから遣わされた使徒たちによって主の日のための準備を受け、主に受け入れていただくのである。

 

教役職とはそもそも使徒職のことである。イエス御自身が制定された唯一の職位である。その他の職位は使徒職からもたらされたものである。このことについては、新使徒信条第五条の中で次のように定めている。「私は、神によって定められた教役者が使徒によってのみ叙任されること、教役職に与えられる権能、祝福、聖別は使徒職からもたらされることを信じます。」

まとめ

イエス・キリストは御自身の教会をお治めになる。教会を設立する時と、主の花嫁を再臨に向けて準備させる時に際して、キリストは使徒をお遣わしになった。使徒たちが担う本来の任務は、キリストの再臨が近いことを宣べ伝え、キリストの花嫁をキリストに導くことである。 (6.4.3→)

 

使徒職は、使徒による救いの手段が教会のすべての部分に浸透する任務を担い、教会全般に与えられている。 (6.4.3→)

 

教会における本来の教役職が使徒職である。これ以外の職位はすべて使徒職からもたらされたものである。 (6.4.3→)