7.9.1 司祭職

監督から牧司までの教役職をまとめて「司祭職」と呼ぶ。司祭職は使徒を通して、洗礼<水のバプテスマ>を授け、罪の赦しを宣言し、聖餐を執り行う任務と権限とを与えられている。

 

司祭職に一番求められていることは、マラキ書2章7節に基づいている。「祭司の唇は知識を守り/人々は彼の口から教え<口語訳「律法」>を求める。彼こそ万軍の主の使者である。」

 

また司祭職の任務には、礼拝の司式、祝福行為や葬儀の執行、御言葉の宣教、会衆への牧会がある。

 

監督

「監督」(ギリシア語の「エピスコポスΕπίσκοπος」)という用語は「見渡す者」という意味である。監督は使徒と一緒に働く同僚である。監督は使徒と一体になって教役職に指示を出し、彼らを配慮し、牧会活動としての特別な任務を管理する。

 

教区長老 [4]

一般的に教区長老は教区の主任的立場にあるため、霊的及び組織的の両面でいくつかの会衆の責任を持ち、福音が確実に純粋な形で会衆に宣べ伝えられるようにする。教区長老は会衆の中でゲストが会員となれるような育成をしたり、会衆の中で必要される職務上の技能を養成したりする。またサクラメントの一つである御霊の証印を予定している人たちと準備のための議論を主導する。さらに教区長老は、会衆主任者とその家族に向けた牧会を行う。

 

教区伝道師

教区伝道師は教区長老を補佐し、その職務遂行を援助する。

 

牧者

会衆への配慮及びその保護が主な職務である。指導的役割も担 (にな) っている。牧者職は会衆の主任役を務めるのが一般的である。

 

伝道師

伝道師(ギリシア語「エヴァンゲリステースευαγγελιστής=「喜びを伝える人」」)の職務の中でも特有な職務は、御言葉を明確に、理解できるように宣べ伝えることである。伝道師も牧者同様に指導的役割を担うのが一般的である。

 

牧司

牧司は会衆において神の言葉を宣べ伝え、会衆の魂を傅 (かしず) くことである。具体的には会員とのつながりを密にする、定期的な会員宅訪問、会員の信仰強化、会員の知識養成の促進、というものである。牧司は会員の近くによりそい、会員と共に祈る。体調の良くない教会員宅を定期的に訪問し、彼らに聖餐を執 (と) り行う。会衆とのつながりが弱まりつつある人の事情を把握する。牧司が会衆の主任的役割を果たしている教会は数多くある。

[4]  初期においては「地域社会長老」という職位も存在した。