2023年3月6日 19:48:00 JST

「今年、主は私たちの現在と未来における召命、すなわち、キリストに奉仕し、キリストと共に統治することに注意を向けておられます」とスイスのユルク・ツビンデン教区使徒は述べています。ヨセフの話を用いて、今年の標語を解説します。

 

 

私たちは、今からキリストの僕(しもべ)でありたいと思います。キリストは、私たちが日常においてキリストの福音に適(かな)う人生を送り、神様の愛が非常に偉大であることを周囲の人々が分かるようにしてくださいます。マタイによる福音書24章12節で、イエス様は「不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える」と現代を暗示しておられます。つまり、不法がはびこるところでは、人々は三位一体の神様を軽んじ、隣人をも軽んじるようになるのです。そこで、私たちが奉仕することで、神様からの無条件の愛と神様への信仰に人々の目を向けさせることが大切なのです。

 

また、私たちはこんにち、統治するよう召されています。キリストの助けを借りて、私たちは自分の思考や行動を支配するように努めます。結局のところ、重要なのは隣人に圧力をかけることではなく、自分自身の生き方を管理し続けることなのです。

 

ヤコブの息子であるヨセフは良いお手本です。ヨセフについては、創世記39章以降に書かれています。彼は、エジプト人の役人で親衛隊長のポティファルに奴隷として売られました。ポティファルは、神様がこの若者と共におられることを知り、自分の家全体と所有するすべてのものをヨセフに監視させました。ヨセフはポティファルにしっかり仕え、神様はヨセフと共におられ、彼を祝福されました。ヨセフは顔立ちが良かったので、しばらくしてポティファルの妻は彼に目をつけ、誘惑しようとしました。しかし、ヨセフは彼女の誘いをかたくなに拒み、こう言いました。「一体どうしてそのように大それた悪事を働き、神に罪を犯すことができましょう。」ヨセフに拒まれたポティファルの妻は怒り、ヨセフが自分を弄(もてあそ)ぼうとしたとの嘘(うそ)の訴えをしました。ヨセフは神様を信じて自らの清廉潔白を期すため、牢獄に入れられました。しかし、投獄されても神様はヨセフと共におられました。釈放後、ファラオは彼をエジプト全土の責任者とし、宮廷を治める者としました。

 

この聖書の物語と、神様を信じ、神様に仕え、誘惑に屈しなかったヨセフについて、少し考えてみましょう。

 

ヨセフの人生と同じように、すべてが期待通りにいくとは限りません。昨年のクリスマスの少し前に、ルーマニアにある二つの会衆を訪ねようとした時に、私はこのような目に遭いました。忍耐という神様からの鍛錬を特別に受ける必要がありました。チューリッヒで大雪が降ったため、ミュンヘンでの乗り継ぎ便に間に合いませんでした。私はルーマニアの兄弟姉妹にどうしても役奉仕したかったので、夕方遅くの飛行機に乗るために、サービスカウンターで待つ数百メートルもある旅行者の大行列に並びました。長く待っている間、興味深い会話が交わされ、信仰の証しをする機会もありました。八時間以上も待たされた挙句、私が受け取ったのは、なんとホテルの宿泊券と、翌日に電車で帰国してほしいとの勧告だけでした。私がどれほど思い悩んでいたかは、皆さんも想像がつくと思います。さて、いよいよ年間の標語を実践する時が来ました。キリストのおかげで、私は心の中の様々な感情を理解でき、また、適切な方法で神様に奉仕できるようになるための条件を作り出すことができました。

 

キリストと一緒にすることになるすべての務めに、今のうちに備えることができるのは、うれしいことです。

 

原著: Jürg Zbinden
https://nac.today/en/158033/1140188→

nac.today:New Apostolic Church International

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