2023年6月26日 0:00:00 JST
聖書は、女性教役者叙任の問題について明確な答えを示していません。それ故、使徒団が決めなければなりません。この問題を検討し、答えのようなものを決定することが使徒団にできるのか、という問いに対しては、聖書に明確な答えがあります。
様々な側面があっても、結果は一つ。福音書を詳細に研究した結果、教区使徒会議では以下の事項が決議されました→。「イエス様の言動から、女性教役職叙任が可能かどうか、明確に結論づけることはできない。」そして、使徒言行録及び使徒書簡から、以下の知見→が導き出されました。「それ故、聖書の証しは教会における女性の役割について、曖昧である。」
結論は次の通りです。「聖霊によるお導きの下(もと)で、教会秩序の責任を担う使徒団によって決定される。」言い換えれば、「教える権限と、教会秩序の構築を委ねられている使徒団が、決定しなければならない」ということです。
では、その権限や使命はどこから出るのでしょうか。
こんにちの信仰生活を考える
この問いに対する答えは、2022年特別第3号の女性教役職叙任を扱った教義論文に、コリントの信徒への手紙一4章1節を引用して「使徒は神の秘義の管理者である」と示されています。つまり使徒団の義務は、福音の適切な宣教だけでなく、会衆内の秩序構築も確実に行う、ということです。
礼拝指針特別号の教義露文には、さらに次のように書かれています。「主使徒の指導統轄を受けている使徒団には、教会内における現在の秩序を調査し、聖霊の活動を通して、聖書と一致する健全な対応を見出す責務がある。特に、聖書に明確な答えがない問題に関しては、聖霊と理性の助けを借りて健全な決定を下すことが使徒団に委ねられている。これこそが、教会と信徒の生活が、時代にふさわしく形成され、発展していくための唯一の方法である。」
教義論文は新使徒教会教理要綱7.4.1→を引用しています。「パウロは『使徒は管理者である』と言っているが(一コリ4:1)、大正訳文語聖書では「家司」(いえつかさ・かし)と訳されている。家司とは家族もしくは家における衣食住や家内労働の管理責任者である。つまり使徒は教会の管理者ということになる。」そして「使徒パウロは『神の秘儀』に関わる『管理者』という言葉を用いている。」これには、例えば、キリスト教の歴史における教義の最初の大きな変更、すなわち、ユダヤ人でない者もキリスト教徒になれるという変更(エフェ3:3-6)もその一つです。
結んだり解いたりする権限
さらに教理要綱7.6.2 →には、マタイによる福音書18章18節にある、使徒が持つ結んだり解いたりする権限について、次のように書かれています。「繋いだり解いたり、という表現は使徒が主使徒と共に教会において霊的な指導を行ったり、会衆生活に関する方針を決定したりする立場にあることを表している。」
これは、何かを結んだり解いたりすることを宣言する権限のことで、言い換えれば、信徒の生活のあり方を確立することです。使徒言行録6章には、初代使徒たちがこの権限をどのように用いたかが書かれています。
使徒たちは、福音宣教に専念するために、初期のエルサレムの信徒たちに、貧しい人々を助ける責任を担う七人を選出するように指示しました。この教役職は按手と祈りによって授けられました。ここでその用語は使われていませんが、この任命が執事職の起源であると一般に考えられています。
新たな洞察を解き明かす
そして最後に、教理要綱は主使徒が持つ鍵の権限についても触れています。この権限については、マタイによる福音書16章19節にこう書かれています。「私はあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上で結ぶことは、天でも結ばれ、地上で解くことは、天でも解かれる。」
教理要綱7.6.6 →には次のように書いてあります。「主使徒の職務は、教えを純粋に保ちながら、それをさらに発展させ、より新しく考察し、信仰の証しを統一して広めていくためにある。そして教会内の秩序をもたらすことも主使徒の職務である。」
神の秘義を管理する使徒たち、結んだり解いたりする権限、主使徒が持つ鍵の権限は、聖書の記述を通して確立され、さらに何度も構築されているため、信徒や教会に秩序をもたらす使命や権限が、使徒団に与えられるのです。
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もし使徒たちがそれぞれの時代において適切な秩序を定めるとしたら、過去にはどのように扱われたのか、なぜそう扱われたのか、という疑問が即座に湧きます。このシリーズの次号で、こうした点を探っていきます。そして、いくつかの驚きがあることでしょう。
原著: Andreas Rother
https://nac.today/en/158033/1175638→
nac.today: New Apostolic Church International