2023年12月4日 0:00:00 JST

「明けましておめでとうございます。新年を迎えました!」はぁ?何を言っているんですか。まだ二、三週間あるじゃないですか!普通の暦では確かにその通りです。しかし教会暦では12月3日が元旦に当たるのです。イエス様の生涯と働きを発見する旅は、待降節から始まるのです。

 

 

多くの人にとってクリスマスまでの数週間は、何かとストレスがたまります。しかし実際に待降節というのは、本当に大切なこと、すなわち救い主イエス・キリストがお生まれになったという事実について、じっくりと考えるための時期なのです。イエス様は人間としてこの世においでになり、死なれ、復活され、天にお帰りになり、聖霊をお遣わしになりました。教会暦は、イエス様の生涯に思いを巡らせ、それを記念するものなのです。

 

 

待降節――日常生活を神に回帰させる時期

イエス様がこの世においでになった日付については、研究者によって様々な見解があるものの、クリスマスをお祝いするのは12月25日です。その四週間前からが伝統的に待降節となります。

 

今年はクリスマス・イブと待降節第四日曜日が重なりますが、このような状況が生じるようになったのは、1038年のいわゆるストラスブール→における待降節を巡る論争に遡(さかのぼ)ります。この時に「待降節を4週間とすること」、「クリスマスが月曜日の年は、待降節第4日曜日がクリスマス・イブを兼ねること」が決定しました。

 

 

クリスマス――幼子の来臨

ラテン語adventus dominiは元々「主の来臨」を意味します。「入って来る」「着く」というと、場面の展開を予告させます。来臨の場面であるadventusが盛大なものであれば、主人公の残りの任務はうまくいったことになるのでしょう。来臨の場面に問題があれば、うまくいかなかったということでしょう。

 

イエス様は、みすぼらしく弱々しい幼子として貧しい環境でお生まれになりました。泊まる場所もなく、両親に寄り添われて、わらを敷き詰めた飼い葉桶に寝かされていました。こうした事実を考えると、主人公の任務はうまくいっていないことになるかもしれません。しかし全く異なる展開となったのです。

 

 

復活祭――死に勝利する

来臨という場面は、もう一つあります。飼い葉桶の幼子は成長して、王としてろばに乗ってエルサレムに入られました。民衆はそのお方を歓迎し、棕櫚(しゅろ)の葉や上着を地面に敷き詰めました。adventusは完璧に思われました。しかしその五日後、イエス様は亡くなられました。

 

イエス様の降誕、イエス様の来臨の時に予見できたのは、「イエスは使命を果たせなかった」という失敗なのでしょうか。そうではありません。もう次の日曜日にイエス様は生きて活動しておられましたし、もはや永遠なる御子なる神様なのです。このこともお祝いします。

 

イエス様の復活をいつお祝いすべきかについては、初期キリスト教の時代から議論されていました。キリスト教がユダヤ教と最終的に袂(たもと)を分かつ以前は、ユダヤ教の過越祭と一緒にイエス様の死と復活をお祝いしていました。紀元325年のニカイア公会議で、復活祭〔イースター〕は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」とすることが定められました。毎年同じ日にお祝いするクリスマスと異なり、復活祭は毎年日付が変わります。

 

 

昇天日――別れと展望

昇天日を決めることは難しくありませんでした。使徒言行録1章3節によれば、イエス様は四十日間を弟子たちと共にされた後、天に昇られました。

 

昇天はいわばお別れの時であると同時に、新たな展望の時でもあります。イエス様が弟子たちと過ごされた期間である40という数字には、多くの意味があります。イエス様は四十日間にわたって荒れ野にいて、悪魔の試みを受けられましたし、イスラエルの人々は四十年にわたって砂漠をさまよい、モーセは四十日後に神様から十戒を授かりました。このように、40は試みの期間、神様を体験する期間、神様との契約を表しているのです。

 

 

聖霊降臨祭――教会の誕生

昇天日から十日後、全世界の新使徒教会で最も大切な記念礼拝の一つを行います。それが聖霊降臨祭〔五旬祭・ペンテコステ〕です。街頭で聖霊降臨祭について尋ねても、多くの人は答えられません。イエス様は天に昇られる時、弁護者が来ることを約束されました。しばらくすると、聖霊が使徒たちに降(くだ)り、彼らは突然様々な言語を話すようになりました。これにより使徒たちはたくさんの人々に福音を宣べ伝えることが可能になり、多くの人々が信じるようになりました。そして教会が設立されました。

 

ですから、聖霊降臨祭は教会の誕生日なのです。そして、五十日間不安でいっぱいだった弟子たちが、使徒として世界的な使命を果たす勇気と力をどこで得たのかという問いに対する答えでもあるのです。

 

原著: Katrin Löwen

https://nac.today/en/158033/1236772

nac.today: New Apostolic Church International

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