2023年12月7日 0:00:00 JST

神様の御旨にだけ基づく職務を人に委託することが、新使徒教会における信仰の原理です。これを「選び」と言います。この選びがどのような働きをするのでしょうか。

 

 

「神様による教役職としての選びを信じることは、教会にとって財産です。」礼拝指針2020年特別第2号の「教役職への選任と召命」と言う教義論文の一節です。そう信じることは、教役者が働く原動力であり強さだからです。同時に、そう信じることによって、会衆の側からも、教役者に選ばれたことを受け入れてもらえます。

 

確かに、使徒の判断によって特定の個人を教役職に叙任することは神様の御旨ですが、叙任の持つ重要性を考えると、いささか説明不足の感は否めません。そこで神様による教役職への選任と召命という概念について説明を加えるのが有益と思われます。

 

 

神の御旨を理解する

ごく形式的な観点で言えば、教役者を選出する手続きは次の通りです。

 

  • 現地で責任のある立場の教役者が、叙任を提案する教会員の一覧を使徒に提出します。
  • その提案に基づいて、使徒(または教区使徒)は叙任すべき兄弟姉妹を選出します。
  • 現地で責任のある立場の教役者は、選出された教会員と連絡を取ります。
  • 当該の教会員からの承諾を得たならば、使徒は教役職に叙任します。

 

ところが、「神様の御旨を悟ってそれに従う活動をするのが使徒の務めである」ことについて、選びの問題がいつも俎上(そじょう)に上がります。

 

どの信徒が神様から教役職に召されているのかを決めるためには、いくつかの点を考慮する必要があります。

 

  • 教会における教役者の必要性
  • 霊的才能〔霊的賜物〕
  • 人間的能力
  • 会衆による受諾
  • 選ばれた本人が召命を受け入れること

 

 

必要性、才能、能力

教役職自体が目標ではなく、教会の必要性に資するものでなければいけません。会衆に必要なことと会衆の求めを把握するために、使徒とその同労者たちは聖霊に導いていたく必要があります。

 

神様は職務に就く者としてお選びになった人物に、職務の行使に必要な霊的才能をお与えになります。霊的才能の中には、イエス・キリストとその死と復活と再臨を信じること、福音に忠実であること、神様と信徒を愛すること、教会が救いの仲介者であることを信じること、使徒とサクラメントと教役職を信じること、率先して奉仕することがあります。

 

神様による選びは、当該の信徒にお与えになった能力にも現れます。能力には、聞く能力、会話能力、自己表現力、胸襟(きょうきん)を開ける能力、常識力、知識力、物事を学び取ろうとする意志があります。

 

 

会衆による受諾

教役職は神様が会衆にお与えになる賜物です。神様が、信徒に仕える者としてふさわしい教役者をお選びになります。ですから使徒は、叙任しようとしている人物が会衆に必ず受け入れてもらえるようにしなければいけません。

 

会衆に受け入れてもらえるかどうかは、会衆に代わって、教区または会衆の主任が判断します。主任は、使徒に提案することで、叙任対象者の霊的才能と能力について、会衆の認識と一致させます。

 

 

選任と召命の一致

神様からの選任は常に召命と関係しています。これは、例えば、召命を受けた人物の成長に現れます。例えば、神様は召命を授けた人物の心に、才能と恩恵をくださったことへの感謝の気持ち、神様と教会への愛、そして奉仕に対する真摯な願望が生まれるのです。

 

礼拝指針2020年特別第2号の教義論文には次のように書いてあります。「私たちは、この召命が使徒または必要に応じてその代理人によって信徒に明らかにされることを確信しています。しかしこれだけが、奉仕のために信徒に召命を授ける唯一の方法ではないでしょう。内面で召命を感じて使徒からの呼びかけを受けると、神様からの召命をいただいたという確信できます。」

 

原著: Andreas Rother

https://nac.today/en/158033/1235069

nac.today: New Apostolic Church International

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