2.3 初代教会が採用した信条文と それが新使徒教会に果たした意義

新使徒教会の教義は聖書に基づいている。初代教会が採用していた信条文は、旧新約聖書で証しするキリスト教の信仰の基本を表現している。初代教会信条文は聖書で証ししている事柄を逸脱していない。むしろその内容を簡潔で拘束力のある言葉でまとめている。こうして信条文自体は、様々な垣根を越えて ― 水のバプテスマのように ― すべてのキリスト教徒の一致を表現している。

 

新使徒教会は、初代教会が採用していた二つの信条文に書かれているように、神の三位一体性を信じ、真(まこと)の神で真の人であられるイエス・キリストが処女マリアよりお生まれになったことを信じ、聖霊が遣わされていることを信じ、教会を信じ、サクラメントを信じ、キリストの再臨を信じて待望し、そして死者の復活を信じることを公(おおやけ)に告白している。

まとめ

信条文とは、信仰の教義の根本をまとめたものである。信条文を読むことで、宗派独自の特徴が分かる。 (2→)

 

旧約時代には既に信仰を告白する定式文があり、その中では、エジプトからの解放という歴史に基づく救いの業と関連させて、神の唯一性を告白している。 (2.1→)

 

新約聖書は、神の救いがイエス・キリストを通して行われたことを告白する内容となっている。 (2.1→)

 

神の三位一体性やイエス・キリストの本質を巡る論争によって、複数の信条文が成立したものの、新約聖書が成立の基準になった点、つまりイエス・キリストとその使徒たちによる教義という点ではどの信条文も共通である。 (2.2→)

 

使徒信条、ニカイア・コンスタンティノポリス信条、アタナシウス信条のうち、使徒信条は紀元2世紀にまとめられ、4世紀に文言が若干追加された。ニカイア・コンスタンティノポリス信条は神の三位一体性を、特別な表現で告白している。 (2.2.1→2.2.2→)

 

初代教会信条文は聖書の証しを簡潔にまとめたもので、権威を持つ。権威を与えられることで、様々な垣根を越えて、すべてのキリスト教徒が一つであることを示している。 (2.3→)

 

新使徒教会は初代教会が採用していた二つの信条文に定められている内容を、信仰告白としている。 (2.3→)