11.2.6 19世紀初頭におけるキリスト教

自然科学によって物事を考えようとすることが多くなり、社会問題がキリスト教的倫理道徳に対してその妥当性に疑義を唱えたり、国家権力が宗教を政治利用しようとしたりした時代、改めて福音を意識しようという呼びかけは、ますます大きくなった。

 

15、16世紀、宣教活動への取り組みはスペインとポルトガルから始まった。しかし、両国が占領した地域に住む人々に対して、キリスト教信仰を強要する結果になることもあった。19世紀になると、献身的なキリスト教徒が、特に植民地において、熱心且つ平和的な方法で宣教活動を行うようになった。

 

こうしたことを歴史的背景として、神は刷新された使徒の活動を行うための準備をされたのである。

まとめ

神から賜った大宣教令に従い、使徒たちはまずユダヤ人社会において福音宣教に着手した。その後宣教活動は地中海周辺の異邦人国家へ拡大した。 (11.1→)

 

初代の使徒が途絶えた後、聖霊の活動は様々な形で継続した。 (11.2→)

 

教父たちはキリスト教の保護と教義の土台作りに従事した。 (11.2.1→)

 

教父による教義上の宣言は、キリスト教の教理に対して何よりも決定的な影響力を持った。キリスト教の信仰に関する要目は、様々な宗教会議<公会議>で、拘束力を持つ教義として制定された。 (11.2.1→)

 

紀元4世紀の終わりには、キリスト教がローマ帝国の国教となった。 (11.2.2→)

 

修道院制度はキリスト教の伝播に大きな役割を果たした。ヨーロッパの生活や社会に最も重要な変化をもたらしたのがキリスト教である。 (11.2.2→)

 

1054年に起きた「東西教会の分裂<大シスマ>」によって、西方教会(ローマ・カトリック教会)と東方教会(ギリシア正教会)とに分裂した。 (11.2.2→)

 

中世ヨーロッパにおいてキリスト教会の世俗化が広がったことにより、教会を改革しようとする取り組みが起こった。福音を本来の姿に戻そうとする模索は「宗教改革」に集約されるヨーロッパの発展をもたらした。 (11.2.3→11.2.4→)

 

宗教改革の後、カトリックにおいても刷新が図られたり、その他の宗教的な運動が起きたりした。 (11.2.4→11.2.5→)

 

15世紀初め、宣教活動はヨーロッパ以外の国々でも行われ、19世紀にはその活動が本格化した。 (11.2.6→)

 

このことを歴史的背景として、神は使徒による活動を新たに展開するための道を備えられた。 (11.2.6→)