12.4.2.1 青少年を取り巻く状況

青少年は幼児期 ― 人生のほとんどを親が決めていた時期 ― から脱皮して自分自身で物事を決めていく成年へと移行する途上にある。思春期を迎える人のほとんどは人生における難しい段階でこの移行時期を迎える。彼らは自分自身の生きる方向性や基準を模索する一方で、既存の価値観や周囲に存在する規範に対して批判的に見るようになる。そして、特に産業の発達した地域にいる青少年信徒は、世界の至る所で社会の世俗化が進み、その中で生じる様々な宗教観や倫理観による規範と、福音による規範とのはざまに置かれる。キリスト教信仰が社会の中心から離されて、教会がその意義を失いつつある状況を、青少年は目の当たりにしている。教会はますますその立場をあいまいにされ、倫理的権威としてもはや受け入れられなくなっている。しかも、青少年は世俗の環境による圧力を受けることがある。また彼らは氾濫する情報や多岐に渡る様々な余暇活動の中から選択しなければならない。