8.1.4 洗礼を正しく施与する

三つのサクラメントを構成する要素は神によって定められた。洗礼にとって不可欠な要素は二つある。一つは水、もう一つは三位一体の式文である。三位一体の祭文とは「父、御子、御霊なる神の御名によって、あなたに洗礼を授ける」というものである。この祭文によって洗礼が執 (と) り行われるならば、信徒に対して効力を持つ洗礼となる。


内面の清めを表す表象である水を、汚れた世俗から神聖な領域に移行するためには、聖別しなければならない。そのため洗礼を執り行う前に、三位一体の名によって水を聖別する。そしてこの聖別された水を用いて、洗礼の執行者は受洗者の額に三回十字を切り、そして ― 按手 (あんしゅ) をしながら ― 父、御子、聖霊なる神の名において洗礼を授けるのである。十字を切るのは、キリストにある救いと、キリストが犠牲としての死なれたことによってもたらされた贖いとを表している。受洗者の額に三回十字を切ることは、三位一体の神を表している。