7 教役職〔教職〕

一般的に教役職を意味する英語のMinistryには、「公職」「(政府の)省」「(大臣の)職務」「牧師の職務」という一般的な意味があるが、ある特定の責任分野を担 (にな) う職務もしくはそれとして正式に認められた立場を指すものと考えることができる。これを広義に捉 (とら) えれば、ある集団を代表し、先導し、秩序をもたらすために与えられた権限である。教役職 [1] の職務を行使するということは、運営上と職務と権限としての職務の両方を行うことになる。

[1]「教役職」とは霊的且つ叙任による職位及び職務である、というのが新使徒教会の考え方である。そのため教役職は使徒の叙任を通じて権限が与えられ、祝福を受け、聖別を受ける(新使徒信条第五条:「私は、神によって定められた教役者が使徒によってのみ叙任されること、教役職に与えられる権能、祝福、聖別は使徒職からもたらされることを信じます。」)
実際新使徒教会では、すべての教会員に対して、めいめいの能力や才能を活用し、様々な活動に従事することを奨励している。それは「一人一人に“霊"の働きが現れるのは、全体の益となるため」である(一コリ12:1-11)。そして私たちは「それぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕え」るべきである(一ペト4:10)。「それは、聖徒たちをととのえて奉仕のわざをさせ、キリストのからだを建てさせ」るためである(エフェ4:12)。
宗派によっては奉仕、任務、儀式、技能、能力の行使を「聖職者の職務」としているようだが、新使徒教会の考え方においては、これらの職務と、叙任による霊的職務とを、区別しなければならない、と考える(7.1第3段落及び礼拝指針2012年3月特別号を参照)。
例えば青年への奉仕を行う者は青年に対しての職務を行っていることは確かだが、新使徒信条第五条の趣旨による「牧会宣教」ではない。新使徒教会における様々な集まりの中で行われている職務は、奉仕である。

日本語の「教役職」は、教会で用いるMinistryと同義とし、魂への配慮と福音宣教とを任務とする職位の総称である。ここでは基本的に、霊的職務 を表すものとする。